今年のものは、昨年までとは少し違った興奮を覚えました。カンパニーの層の厚さや、それを引き出す光一さんの天賦の才能に感動したとでもいいましょうか…。私もまた、役の入れ替わりがどのように影響を及ぼしているのか、やや不安に思いながら観劇にのぞんだ一人です。が、その不安を一掃してあまりある感動でした。
例えば、大倉くん。まだまだ経験不足と思われる部分も勿論ありましたけれど、「追憶の雨(Don't Look Back)」のシーンでの、嗚咽しながらの独唱、コウイチの不在に身を震わせる哀切極まりない歌と芝居に他の物足りなさも消し飛んでしまいました。彼もまた、光一さんと同様「魅せ方」を肌で心得ているひと、なのかも知れません。この部分の演出、私はとても気に入っています。
屋良くんは、滑舌よく、芝居・ダンスともに安定していました。特にダンスは、上手いとは思っていたけれど、こんな風に踊る方だったのね、と…いかにこれまで自分が、舞台上の光一さんしか観ていなかったかを思い知らされました(苦笑)。語彙力が無くて申し訳ないのですが、何というか、小気味よく、パンチのある、パワフルなダンスで。しなやかなコウイチのダンスとは対極とでも申しましょうか。それ故に、実力充分ではあるけれど、同じ土俵の上ではコウイチへの評価の影に隠れてしまう、はがゆい感じがよりリアルに感じられました。
さて、肝心の光一さんですが。緩急自在に演じる様子は、すでに貫禄充分ですね。歌声がとても伸びやかで、聞いていて心地よく、癒されました。今回のお席は2階でしたので、フライングで降り立って見得を切ったときの迫力といったら…!鋭く射るような眼差しにはガッツリもっていかれました〜。
昨年の今頃、今年ver.のような進化は創造だにしませんでした。それを可能にしたキャスト・スタッフに乾杯!です。
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