舞台全体が締まっていました。
千秋楽に乾杯の場面でオオクラのスーツを「サーモン」だとか「シャケみたい」だとかからかった後、コウイチは控え目に「お前なんか握ってやる!」と言いながら下手にはけました。 残念ながら例の仕草はありませんでした。「スシ王子」の関係者がいらしていたのかどうかは不明です。 World Adventureでは舞台両袖いっぱいに演者が広がり豪華でした。 大小の万国旗をビシビシ振っているのも気持ちがよかったです。 神殿のロープが終わり楽屋裏の場面に移ると、コウイチは三面鏡の前で金と黒のベストを脱ぎ、腕の巻物を外して台に置きます。ロープの時はパンツの中に入れていた黒のタンクトップをパンツの上に出します。これらの身支度に並行してヤラへの台詞が自然に出てくるのですが、こういうところは舞台ならでは、という感じでした。 殺陣が始まる前、オオクラが赤い番傘を持ち、従者が鈴付きの棒をチャランチャランと鳴らしながら静静と歩きます。そこには何かが起こりそうな不気味な雰囲気が漂います。
階段落ちの時、「うすれていく意識の中」コウイチは何を想うのか、驚き痛み悔しさ、どんな気持ちだったのか、これまで気になっていました。 昨日は奈落に沈んでいくコウイチの最後の顔がよく見えました。 血糊にまみれた顔は目も口も半開きで呆けたようでした。その顔つきからコウイチは「何が何だか訳がわからず」志半ばにして命を絶たれたのだと推し量れました。 それで一年間も生死を彷徨い、挙句、やり残した舞台を勤めるために舞い戻ってきたのだろうな〜と思われました。 ラダーフライングで二階に降り立って見栄を切る時、眩しそうで眼差しはやや伏せ気味で左、右とゆっくり顔を回していました。
ナオキのドラムソロでは左側の太鼓は皮性ではなく、叩くとコロコロ鳴ります。 コウイチと8つの太鼓のデュエットで二人で「イヨッ!」と掛け声をかけ、両腕を大きく振り下ろすのですが、息が合っていて、ぞくっとしました。
ショーの中で使われるLED画像も必見です。 ヤラとリカの舞踏では青と赤のひもが左右のLEDに降りてきて二人の手につながるように見えます。 扇芸では大扇4枚の松づくしにLEDの6枚の扇がきれいに並びます。 夜の海では揺れる波間と満月がコウイチをさらっていくかのようです。 コウイチは最後の舞が終ると天を仰いで微笑んで赤い雫のようにくず折れます。 横たわるコウイチを擁する満開の大桜は圧巻です。
最後の挨拶で先日の公演中止について謝罪していました。 「今年は地方から来てくださる方が多いんですが、そういう人達に大変ご迷惑をおかけしました。」と光ちゃんは地方から来てくださった方たちを心にかけていました。
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